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FIPを再発させない方法

  • 執筆者の写真: Dr.Y
    Dr.Y
  • 3月17日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月25日

今回の投稿では、猫伝染性腹膜炎(FIP)の再発と再発させない方法について話していきます。


全く難しい内容が含まれていないので、猫ちゃんのために、ぜひ読んで、理解をしていただけると嬉しいです。


飼い主の皆様は、自分自身で知識を身につけることが、怪しい業者に騙されないための唯一な方法です。また、知識という武器を持つことで、少数の無知で貪欲な獣医に振り回されることもなくなります。


あなた自身よりも、猫ちゃんを大事にして、守っていける人はいません。



 

💡再発の本当の原因とは?


FIPの再発が、多くはないかもしれませんが、ひとたび起こると、治療費・猫の健康・飼い主の精神的負担のすべてにおいて、大きなダメージを与えます。


FIPは、猫コロナウイルス(FECV)が変異してFIPVになり、またFIPVによって発症すると知られています。


ただ、FIPの再発について 「一度FIPVを完全に排除し、猫が治った後に、体内に潜伏していたFECVがストレスによって再びFIPVに変異し、再発する」 と思っていなかったでしょうか?


まず、「ストレスがFECVをFIPVに変異させる」という考えは完全に誤りであり、以前の投稿でも詳しく解説しました。興味がある方はそちらもぜひ読んでください。


実際のところ、FIPの再発は、初回の治療時にFIPVが完全に排除されていなかったケースがほとんどです。



💡「FIPVが持っていれば、すぐに症状が悪化するはずでは?」


よくある疑問として、「もしFIPVが体内に残っていたなら、すぐに再発して症状が悪化するはずでは?治療後1年近く何も問題なく過ごせているのは、つまり再発はしないのでは?」 というものがあります


実は、FIPは慢性疾患へと変化することがあり、FIPVは数ヶ月、数年、さらには数十年もの間、体内に潜伏することができるのです。


GS-441524がFIPに有効であることを最初に発見したニールス・ペダーセン博士と以前メールでやりとりをした際、彼もその点について言及していました。




また、ペダーセン博士に『10歳を超えたシニア猫が急性FIPを発症したケース』について相談した時に、博士は『唯一の可能性は、FIPVが長期間慢性的に体内に潜伏しており、何らかの要因で急性発症に切り替わった』という見解を示しました。


つまり、FIPVが完全に除去されていない限り、1年再発しなかったからといって完治とは言えないし、2年後、10年後に再発する可能性もあるということです。



💡じゃ、再発を防ぐにはどうすればいいのか?


答えはシンプルで、FIPVの除去です


他のウイルスと同様、FIPVを排除した後もB細胞の免疫記憶は維持され、抗体が作られ続けます。そのため、一度ちゃんとウイルスを除去できれば、再感染のリスクは極めて低いです。

例えば、カリシウィルスの変異のスピードが鬼のように速く、免疫逃避能力が抜群なウイルスでも、一定範囲内の変異株が、ウイルスを除去した動物を再度感染することができません。



💡では、投薬によって、FIPVが排除されたかどうかを判断する基準はあるのか?


過去の投稿でも紹介しましたが、ここでは結論だけ書いておきます。

FIP治療後の評価基準:


✅ グロブリン(GLOB):35 g/L 以下

✅ 好中球(Neu):7.5×10⁹/L 以上


  • グロブリンの測定 → 生化学検査 で確認可能。A/G比の「GLOB」として表示され、またはWBC-ALB から計算できる。

  • 好中球の測定 → 血球検査で確認可能。「NEU」として表示され、TP-LYM から計算できる。



 

『なぜこの基準を設定するのか?』については、以前投稿しましたが、書いた内容がちょっとややこしいので、後日、もっと詳しく編集して再投稿する予定です。


『12週間投薬しても、その数値に辿り着かない場合はどうすればいいですか?』についても、改めて投稿します。


また、FIPの『急性型』『慢性型』という言葉が初耳の方も多いかと思うので、その切り替わりと具体的なメカニズムなどについても、今後改めて投稿して詳しく説明いたします。



 

猫博士では、FIP(猫伝染性腹膜炎)、難治性口内炎、パルボウイルス、猫白血病、猫エイズなど、治療が困難とされる疾患の治療支援を行っております。


獣医師、薬剤師、医学研究者などの専門チームが、科学的根拠に基づいた最適な治療プランを提供いたします。


また、病院で診断がつかない場合のご相談、検査項目のご提案、治療方針のアドバイス、処方薬の評価など、飼い主様の不安に寄り添いながらサポートいたします。


これまでに、多くの猫ちゃんを救い、「安楽死」を提案されたケースでも治療を行い、寛解へ導いた実績があります。


絶望して諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。

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ありがとうございました

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